2021.11.19
ニュースリリース日販グループ ESGを重視した経営の推進を宣言
日販グループホールディングス株式会社(代表取締役社長:吉川 英作、以下:日販GHD)は、持続可能な社会の実現に向けて、ESGを重視した経営の推進を宣言いたします。
また、日販グループのESGに対する取り組みをまとめた報告書として、「ESGレポート2021」を発行しました。
■基本方針
私たち日販グループは、“人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける”ことを経営理念として掲げる企業として、持続可能な社会の実現に対し、責任があると考えます。全世界の企業に対するサステナブルな取り組みへの期待がより一層高まるなか、私たちは、企業としての社会的責任を果たすべく、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)を重視した経営により、サステナブルな事業活動に真摯に取り組んでいくことを宣言します。
グループの祖業である取次事業を筆頭に各事業でESGの取り組みを推進し、出版業界を中心としたグループが関わる各業界の持続性の向上、地球環境や労働環境といった社会環境の改善、生活者のより豊かで持続的なくらしの実現を目指します。そしてこの先も日販グループは、すべての人の心に豊かさを届け続けてまいります。
■ESGレポート2021
日販グループのESGへの取り組みをまとめた報告書として、「ESGレポート2021」を発行しました。内容はこちらよりご確認ください。
以下、レポートの一部抜粋をご紹介します。
■ESGの各種取り組み
「脱炭素化の推進」「循環型社会の実現」「自然との共生」の3つの軸で取り組みを推進し、持続可能な社会の実現を目指す。
●出版流通改革
―出版流通改革に取り組む理由
取次事業の中核事業会社である日本出版販売株式会社(以下、日販)は、将来にわたって持続可能な出版流通を構築するための取り組みとして、出版流通改革を掲げています。出版流通改革で目指すのは、業界のあるべき姿として、出版物の多様性を守ると同時に、書店様が儲かる構造をつくりあげ、そしてこの先も、人と本との出会いが溢れる世界をつくり続けることです。
「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」を経営理念に掲げる日販グループにとって、本という文化との接点を維持・発展させていくことは、必ず成し遂げなければならない最重要ミッションですが、この改革に取り組む理由はそれだけではありません。出版流通改革は、本を愛する読者のみなさまや出版業界のためだけでなく、サステナブルな社会の実現のためにも、社会の一員として取り組むべきことだからです。
―出版流通改革とESG
出版流通改革が特に大きな影響を与えるのは、ESGにおけるE(環境)の側面で、なかでも重要なのは返品問題を解決することです。現状の出版流通では、40%~50%の返品が発生しているのが実態ですが、送った量の半分が返品されるというのは、明らかに環境面における課題です。返品を処理する過程で、商品の仕分けや輸送によってCO₂が排出されます。その返品が削減されれば、結果、CO₂排出量の削減にもつながります。環境への配慮として、まず真っ先にメスを入れるべきポイントです。
また、出版流通における喫緊の課題である輸配送問題への対処として、配送効率を高める取り組みも必要です。これは同時に、サステナブルな社会の実現においても重要なこととなります。時間的制約の緩和や慣習の変更により、荷物をまとめて配送できるようになれば、共同配送の効果をさらに高めることができます。効率的な配送の実現は、環境負荷低減につながるのはもちろんのこと、ドライバーの労働環境の改善も促すこととなり、ESGのE(環境)・S(社会)いずれの観点でも重要なことと言えます。
これらのことから出版流通改革は、業界の維持・発展のため、サステナブルな社会の実現のため、2つの側面から、業界一丸となって取り組む共通のテーマだと考えます。
今後も日販は、業界のみなさまと対話を重ねながら、ともに協力・連携し、この改革に邁進してまいります。
●協業によるエネルギー抑制
日販は、出版社から仕入れた雑誌や書籍を全国の書店やコンビニエンスストアに発送しています。従来は、各取次会社ごとに発送作業をしていましたが、他取次会社との協業をすることで、業界全体でエネルギー投入を抑えて、CO2排出量を削減しています。出版共同流通では、2002年から返品業務の協業を行っています。出版共同流通蓮田センターでは、2020年11月より新たに㈱トーハンとの協業を開始し、業界全体のエネルギー消費の効率化を図っています。
●グリーン事業(企画・レンタル)
2018年、「植物を届ける」をコンセプトとするグリーン事業会社・日本緑化企画を設立しました。植物とつながるライフスタイルを時代に合わせ創出し、人々に幸せをもたらす「世界一の植物の企画会社」を目指しています。また、従業員が寛いで仕事できるように、日販グループ内のオフィス緑化に取り組んでいます。
文化の次世代への継承、地域を超えた知識の交流を積極的に行うとともに、従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整備する。
●女性の登用
ジェンダーの区別なく採用、処遇を行い、特に女性登用に力を入れています。文喫やパンのフェス、文具女子博のような日販グループの新たな事業やイベント実施においても、多くの女性社員が活躍しています。また、日販では女性リーダーの登用について積極的に推進し、管理職における女性比率を2030年に30%とすることを目指します。
●オフィスDXの取り組み
日販テクシードでは、オフィスを全席フリーロケーションとするのにあわせ、デスクのIoT化を行いました。座席は予約制とし、出勤後に座席のQRコードをスマホで読み込んでチェックインすることで、在宅勤務者を含めた全従業員のワークプレイスの可視化を実現しました。
経営の透明性と効率性を高め、企業価値向上と持続的発展を図る。コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンスを主な取り組み事項とする。
●コーポレート・ガバナンス
日販グループは、多様なグループの事業展開を統括する体制として、2019年10月よりホールディングス体制を採用しています。持株会社である日販グループホールディングスは、グループ全体戦略の策定・推進、各事業のモニタリング、グループ連携による事業シナジー創造等に取り組んでおります。
あらゆるステークホルダーの信頼を得ながら、グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。
今後も日販グループは、ステークホルダーのみなさまとの絆をより一層深め、グループ全社・全従業員が一丸となり、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
■本件に関するお問い合わせ
日販グループホールディングス株式会社
日本出版販売株式会社 社長室広報課:吉野
TEL.03-3233-3829 FAX.03-3233-6045
E-mail:press@nippan.co.jp